雨庵金沢は、美術館も多く、文化成熟度が高い石川県金沢市に建つホテルです。金沢という土地に本当に求められるホテルとは何か。一貫したクリエイティブディレクションを通じて、ホテルに泊まるという行為自体が金沢観光における文化体験価値になるホテルを目指しました。
浮世絵の雨の線表現からインスピレーションを受けたランダムな縦ルーバー。雨濡れで知られる東茶屋街の石畳をモチーフにした石材タイルや、雨つぶをモチーフにしたランプシェード。加賀五彩 を参照した色彩設計。全てが雨の金沢を魅力にするためにデザインされてい ます。
素材を通じた体感価値にも配慮し、雨の石畳を想起させる石張りのラウンジのアプローチや、共通のオーク材に統一した木部。塗装された壁面は、目の粗い石英によって柔ら かな陰影を実現。派手な意匠ではなく、宿泊者が自分ごと化でき、質の高い時間を過ごせるよう配慮しています。